
版画の余白部分に、例えば25/100と記載されたものがあります。
これは、この版画が100枚市場に配布された内の25番の作品という意味です。
市場に配布されたという言い方をしたのは、
100枚限定で摺られた作品という意味ではなく100枚限定で売りに出されたという意味です。
通常、版画の場合、EA、HC、HP、APなどと呼ばれる作家保存用、版元保存用に摺られたものがあります。
それらは大抵、売りに出される限定枚数の10~20%くらいが存在しますので、
この場合110枚~120枚ほど摺られていることになります。
なぜそのようなことを述べるかと言いますと、
作家保存用や版元保存用の版画であっても市場に出ることがあるためです(実際は非常に多く出回っています)。
以上のようなことですからあまりHCやAPなどを所持していることを特別にありがたく感じる必要は無いと思います。
特にシルクスクリーンの作品などは、限定枚数200枚とされる作品であっても
作家保存用や版元保存用を50%(100枚)も摺っている場合もありますので要注意です。
もともと限定枚数は原版の磨耗による物理的な限界から設定されたもので、
例えば銅版なら数十枚、木版、リトグラフなら200枚程度とされていました。
しかし現在では原版にメッキをすることや耐久性のある原版に代替することによって
比較的大量に摺ることが可能になっています。
また、シルクスクリーンなどは千枚以上摺ることが物理的には可能と言われています。
余談ですが、25/100と記載されていても25番目に摺られたものとは限りません。
また、日本では42番とかの不吉なことを想像させる番号は人気がなく、同一作品でも
転売時の価格は安くなることがあるので注意したほうがよいと思います。そしてまた
250枚以上はもう“限定”とは言いがたく“多数摺り”と言う世界なのではないでしょうか。